十年近く前のお話。
実家に遊びに行こうかと思って、母に電話すると、
「これから、ぎんこうで秋田に行くから・・・」 と、
やんわり断わられた。

ぎんこう、銀行・・・何も秋田まで出てこなくても・・・
本荘でいいんじゃないの?銀行は! と思い、
「わざわざ秋田まで来るの?支店なんか本荘にもあるよ・・・」
 と、ここまで言うと、ぎんこうはぎんこう
でも、俳句の「吟行」で、そこの場所に赴いて歌を作るらしい。

学校で、この言葉教えてもらったっけと思いながらも、
自分の教養の無さを反省した。

俳句を嗜んでいる人は、周りに意外に多く存在する。
(それなのに、この言葉は、知らなかった。)

姉夫婦と母と私で、温泉に行った時、夕食をいただきながら見た
夕焼けがあまりに美しく、感激した三人は、それぞれ俳句を作り
始めた。
この俳句作りの熱は、食事が終わっても冷めず、
部屋に帰っても勉強会になった。
(私には、ついていけない別の世界だった。)

大好きな祖母も叔父も、俳句に没頭していた姿を見つつ育ち
ながらも、私にこの感性は育たなかった。  残念!

           

 執筆 旅人のお供
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